このページではエアブラシ専用水性ウレタン塗料Brusherアクアの使用方法を説明します。
Brusherアクアの使い方
エアブラシ塗料Brusherアクアは水性ウレタン塗料です。正しい使い方をすれば高い性能を発揮しますが、間違った使い方をすると性能を発揮出来ません。使用方法をしっかりとお読み頂きBrusherアクアの高いポテンシャルを最大限に発揮して下さい。
(注意)ウレタン塗料は油性水性に関わらず、クリアーでのコーティングを前提とした塗料となります。高い対候性を持たせるにはクリアーでコーティングする事が必須となります。Brusherアクアからは水性のウォータークリヤーをご用意してあります。また従来からある油性の2液性ウレタンクリヤーでもコーティングが可能です。
エアブラシ塗料Brusherアクアの希釈
Brusherアクアはそのままエアブラシの容器に入れても使用出来ますが、通常ペインティングメディウムを使用して希釈します。より細かい作業をする場合は希釈を多めにします。
Brusherアクアとペインティングメディウムを下記の範囲で使用して下さい。
通常カラーの希釈
塗料:ペインティングメディウム=1:0~1:20
ホワイトの希釈
ホワイト:ペインティングメディウム=1:0~1:3
スペシャルホワイトの希釈
スペシャルホワイト:ペインティングメディウム=1:0.3~1:5
通常カラーは塗料に対してペインティングメディウムを20倍まで、ホワイトは塗料に対してペインティングメディウムを3倍まで希釈出来ます。希釈を多くすると細い線を描けますが、塗料が薄くなります。
ホワイトのみその他のカラーよりも希釈が少な目となりますので、ご注意下さい。
塗料の混ぜ方
塗料は使用する前に良く振ってからご使用下さい。特にメタリック、パールカラーは沈殿しますので、1分以上良く振ってからご使用下さい。
画像の様に塗料容器の裏面に泡が見えるまで良く振って下さい。
Brusherアクアは基本的にペインティングメディウムで希釈して使用します。
塗料とペインティングメディウムを入れたらエアブラシの先を抑えてエアーを逆流させて混ぜて下さい。5秒~10秒程で混ざります。
エアブラシの洗浄
Brusherアクアの洗浄は通常水で洗浄します。水道やバケツに水を張って洗浄が出来ます。水道やバケツなどの水で塗料を混ぜる時の様にブクブクと逆流させて洗浄して下さい。
塗料が固まってしまった部分の洗浄にはエアブラシクリーナーを筆などに染み込ませ溶かします。乾きが遅く、水と併用する事で少ない量で洗浄出来て、洗浄のコストを抑える事が出来ます。
エアブラシクリーナーを使用した部分は再度水で洗い流します。
Beusherアクアエアブラシクリーナーは有機溶剤を使用しない人や環境に考慮した次世代クリーナーです。水溶性でありながら溶剤にも溶けますので、水性油性に関わらず、どちらにも使用出来ます。
(注意事項)エアブラシを長時間漬け置き洗いする場合、メッキの痛んだ古いエアブラシは1素材を痛める場合があります。メッキの痛んだ古いエアブラシのの場合、漬け置き洗いは数時間以内で水洗いして下さい。
塗装前の下地処理
Brusherアクアはウレタン塗料ですので、あらゆる物へのペイントが可能です。何かの物にペイントする場合は下地処理が必要です。通常ペイント出来る部分は既に塗装されてある部分のみとなります。素材のむき出しの部分にはウォータープライマーを下吹きします。
既に塗装されてある部分は、車やバイク、ヘルメットなどです。
素材むき出しの部分は、ガラスやプラスチック、鉄やステンレスなどです。
ここでは既に塗装されてある部分と、素材むき出しの部分の2つに分けて説明します。
既に塗装されてある部分の下地処理
既に塗装されている部分には足付けといって、塗膜の表面にペーパーなどで傷を付けます。そうする事によって塗料を剥がれにくくします。Brusherアクアをペイントする場合は「320番のスコッチ」又は「600番から800番のペーパー」で研磨します。アルミ複合版に足付けする場合は塗膜が非常に硬い為320番のスコッチがお勧めです。
Brtusherアクアの場合通常の油性ウレタン塗料の足付けよりも粗い番数で足付けします。
下の画像ではアルミ複合版に下地処理をします。今回のアルミ複合版は2液性ウレタン塗料の白で塗装してあるタイプです。
800番のスコッチで均一に傷を付けます。(アルミ複合版の場合は320番のスコッチで足付けして下さい。)
ムラなく均一に傷を付けます。
イラストボードやケント紙、アート紙などに紙にペイントする場合は足付けが無くても塗料は密着しますので足付けは必要ありません。キャンバスにペイントする場合はジェッソ(リキテックスなどの)での下地が必要になります。
脱脂
足付けが終わったらペインティングメディウムで脱脂をします。
脱脂とはペイントする前に表面の油分などを綺麗に拭き取ってやる事です。水性ウレタン塗料は油が大敵なので、その油分をペインティングメディウムで拭き取ります。
ペイントするキャンバスに少しでも油分、ワックス分があるとハジキやブリスターの原因になります。
ウエスを2枚用意して、片方のウエスにペインティングメディウムをかなり濡れる位に染み込ませます。
染み込ませたウエスでペイントする面を拭き取る様に擦ります。
もう一枚の乾いたウエスでペインティングメディウムが自然に乾く前に拭き取って下さい。また、ペインティングメディウムが乾いて無くなるまで拭き取って下さい。
Brusherアクアに油性のワックスオフを使用する場合は、しっかりと拭き取ってからご使用下さい。
イラストボードやケント紙、アート紙など紙の場合、脱脂をしますと紙が痛みますのでお控え下さい。
脱脂が出来たら下地処理の完了です。ホコリなどを吹き払ってからお好きな様にペイントして下さい。
車やバイクやヘルメットなども既に塗装されている面となりますので、下地処理の行程は同じとなります。
素材むき出しの部分
素材むき出しの部分にはウォータープライマーを吹きます。
一部の樹脂を除き、プラスチック、ガラス、金属など、殆どどんな物でも塗料を密着させる事が出来ます。
ウォータープライマー(旧水性密着剤)の使用方法
スマホカバーをペイントしてみます。スマホカバーは樹脂の素材がむき出しになっています。
まずはペインティングメディウムを使い脱脂をします。
エアーでホコリを払ったらウォータープライマーを塗布します。まず捨て吹きをします。艶が出ない適度にパラパラと2回程吹きます。
基本的に密着剤を塗布する場合足付けは必要ありません。
塗装面以外の塗料が飛んだ部分を指で触ってベタベタしなくなったら本吹きに入ります。少し艶が出る位に吹きます。
2回目程も艶が出る様に吹いたら完了です。
吹きつけ後は、夏場は5分以上、冬場は15分以上は乾燥させてください。
また、乾燥させ過ぎると(10時間以上)密着効果がなくなるので早めに白などの下吹きを吹いて下さい。
ステンレスなどにウォータープライマーを塗布後、その上にアートなどの時間の掛かる作業をする場合、塗膜が無い部分(ステンレスの下地が見える部分)は10時間以上経つと密着効果が無くなってしまいます。
その場合ウォータープライマーを塗布後にウォーターレジンを塗布します。ウォーターレジンはBrusherアクアを構成する半透明な樹脂なので、塗装したと部分と同じ効果を得られ、その後長時間経ってからクリアーを塗布しても、密着効果は保持したままとなります。
下地処理は以上となります。
エアブラシ塗料Brusherアクアのペイント方法
下地処理が終わったら実際にBrusherアクアを吹いてみます。
下地処理が終わったら白などの下吹きを吹きます。
今回はホワイトで塗り潰します。塗り潰す時はペインティングメディウムを入れずに原液を使用します。
薄く軽く捨て吹きを2~3回程し、しっかりと乾燥させます。
本吹きに入ります。なるべく薄く艶が出る様に吹きます。1回ペイントしたら艶が消えるまで乾かしてから次のペイントをします。
3~4回程で塗まります。
艶が出る位が丁度良い吹き具合です。
あまり吹き過ぎると塗料が垂れてしまいますので、様子を見ながら吹き付けて下さい。
また、水性塗料は一気に塗ると塗料が泳いでしまい、まだら模様になってしまうので、しっかりと乾燥させてから次の塗料を吹いて下さい。
ホワイトを吹いたらお好きな様にペイントして下さい。Brusherアクアでペイントした部分はいくら時間が経っても重ねペイントが出来ます。
Brusherアクアで細い線の描き方
Brusherアクアは正常な状態のエアブラシなら非常に繊細な作業が出来ます。ただしエアブラシの状態によっては本来の性能を発揮出来ませんのでエアブラシを正常な状態にした上でご使用下さい。
Brusherアクアはエアブラシのニードルキャップを外して使用すると本来の性能を発揮出来ます。
エアブラシが正常な状態であれば針で引っ搔く様な細い線も描けます。細い線を描くには熟練したエアブラシテクニックも必要ですが、ニードルキャップを外し、画面に最も近づけて、トリガーを僅かに引けば画像の様な細い線を描く事が出来ます。
スペシャルホワイトについて
スペシャルホワイトは通常ホワイトの1.5倍の顔料含有量を持ち、多く希釈をしても濃い線が描ける事から、通常ホワイトよりも細い線を描く事が出来ます。顔料成分が多い為、樹脂成分が少なく抑えられているので密着性などの塗膜性能が落ちます。スペシャルホワイトを使用する時は線の描く時のみです。広い面のペイントは通常ホワイトを使用して下さい。
細い線が出ない場合は
ニードルが曲がっていたり、元々細い線が描けない機種によっては塗料の本来の性能を発揮出来ない場合があります。細い線が出ないなどのエアブラシのトラブルは下記のサイトをご参照頂くと、8割ほどの症状が解決出来ます。下記のサイトは弊社が運営するエアブラシオンラインスクールのコンテンツです。
ニードルの掃除にはメラニンスポンジを使用する
細い線を描き続けているとニードルに塗料が付着してきます。ニードルに塗料が付着すると、塗料の通り道が太くなるので、必然的に線も太くなってしまいます。細い線を描くには常にニードルをクリーンな状態にするのがポイントです。ニードルをクリーンな状態にするにはメラニンスポンジを使用して掃除をすると効果的です。メラニンスポンジは100円ショップで入手出来ます。
メラニンスポンジを小さな容器に詰め込んで、ペインティングメディウムを浸します。
メラニンスポンジにニードルを刺し、付着した塗料を掃除します。
お勧めエアブラシ
細い線を描くお勧めのエアブラシは弊社が運営するエアブラシスクールでも推奨している機種です。
現在エアブラシワークスではコロナ禍でリアルスクールが開催出来ませんので、エアブラシオンラインスクールでエアブラシを教えています。エアブラシの使い方などほぼ無料で閲覧出来ますので、更なるエアブラシ技術を学びたい方は是非見て下さい。
上記の使用方法にてご不明な点などありましたら、Brusherアクアをご購入された方限定でメール又はお電話にてサポートさせて頂きます。下記へお問合せ下さい。
メール info@chuuta.com
お電話 054-689-2976 エアブラシワークス